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  経営者ニュース   No.38 1999/9/1

−目  次−


経営者の目(増田俊男氏の説)



経営者の目(増田俊男氏の説)

 資本になり切って世の中を見るという話を前に書きました。その後「不況・男・決断の時」と言う本の中で「竹村健一と増田俊男の対談」と言う章があり、そこで、増田俊男氏は資本の目で見た説を展開しています。5月に対談した模様です。それによると

1. デフレデフレと言うのは間違いで、デフレというのは、お金が無くて物を買わないから何を作っても売れないと言うもので、売れないから、物の値段がドンドン下がっていく、お金がない、つまり所得が低かったのです。今、買うお金は腐るほどみんな持っています。あるけれども、今はやめておこう、そのうちに買うよ、と言ってタンスにお金を入れているだけのことです。お金が無くてデフレになっているわけではないのです。お金があって、貯金をドンドンして、物を買わない、だから売れないのです。

2. 今年も円高基調は変わりません。今年の特に7月を過ぎると、急速に円高になると思います。(このとき5月です)

3. 今の所得は不労所得ではなくて、みんな一所懸命働いて得たお金です。だから、無駄なことに使わないのです。株でも買って、株が上がればいいのです。企業の業績が良くなったら 株は上がるとみんな思っているけれども、今は反対で、株が上がればみんなが消費して景気が良くなる。すると企業も設備投資する気になる。

4. 株価の上下動は、実体経済の状況を表すものではありません。実体経済というのは、規模的に言うと、日本のGDPが500兆円くらいですから、1日1.3兆円くらいのものです。これが実体経済の総額です。これに対して、株、債券、土地の売買、そう言う投機経済を全部含めた金融取引が世界中でだいたい190兆円から200兆円有ります。これは1日の取引額です。

5. 金本位制があった頃は、「金」が経済に連動していましたが、金本位制は無くなってしまいました最後まで保っていたスイスも金本位制を廃止しましたから、今、実体経済に連動す るものは株以外にありません。今、「金」を買ったら、待っているのは悲劇です。「金」は今多少損をしても良いから、直ちに売りです。「金」を売って株を買うべきです。「金」の産出国がいろいろな情報を出して、今一所懸命「金価格」を上げようとしていますが、彼らは売り抜けようとしているのです。持分をぜんぶ売るために、金攻勢をかけて世界中で「金」の宣伝をしているのです。それで少しは上がるかも知れませんが、いずれ50 ドルくらいに下がって「金」の時代は完全に終わることになります。5000年の「金」の歴史の終焉です。

6. 最近のデータによると、東証の場合、個人投資家は50万人位しかいないと言うことで す。非常に少ない。アメリカの場合は、401Kというのがあって、民間の年金、保険会社が個人の年金資金を株に投入するかたちになっています。アメリカの個人で株を持っている人、株式投資をしている人の数は、6000万人と言われています。1995年ニューヨークダウは4000ドルでした。それが今、1万1000ドルになっています。それだけ株が上がった原因は、日本を始め世界中のお金がアメリカに押し寄せたからです。その株価が上がった分だけ、アメリカの成人の二人に一人がキャピタル・ゲインとしてポケットに入れました。これは不労所得です。電話をかけるだけで入ってきたお金ですから、これが消費に廻るのは当たり前です。だから、アメリカの景気は良くなった。簡単な理屈です。

7. 世界からアメリカにお金がずっと流れ込んでいきました。そして、日本の投機資金は殆ど 流れきってしまった。5年間でアメリカの6000万人の国民がキャピタル・ゲインを懐に入れました。そのお金は全部消費されたのです。人のお金を全部使い込んでしまって、マーケット、資本市場にその使ってしまったお金は返せない。これは埋めなければなりません。これを埋めないと、先に進むことが出来ません。ですから。この差額を埋めるために、暴落が起きなければならないのです。

8. 暴落とはどういうことか…………。人様のお金が、アメリカで合法的に目減りをすると言うことです。目減りしてマイナスになってしまった額と、キャピタル・ゲインの名のもとに使い込んでしまったお金の額を一致させる必要があるのです。私の計算では、だいたい3000ドル暴落すれば、一致することになります。これで、今現在アメリカに行っている日本のお金は目減りして、アメリカ人が使い込んだお金は全部キレイに相殺されることになります。

9. 今、5月中旬現在、ニューヨーク・ダウは1万1000ドルあたりを前後していますが、 いずれ急速に1万2000ドルに持っていくことになるでしょう。ニューヨーク・ダウは3 000ドル暴落しますから、9000ドルになる計算です。それに協力しているのが、日本の大蔵省です。大蔵省は、資金運用部で国債をしばらく買い入れていたのですが、一時その買い入れをストップしていました。そして、今年の4月から又買い入れを再開しました。これは6月まで継続すると言うことが発表されています。使ってしまったお金はマーケットに帰ってきません。ですから、本来ならば、その分だけ株価は下がっていなければならないはずです。それを上げるために、矢継ぎ早に3回も金融緩和をしたのです。そして、日本に札を刷らせ、アメリカの国債を買わせる………。アメリカは、これでやっと保っているのです。アメリカは、今非常に景気がいいなどと、みんな寝ぼけたことを言っていますが、本当は死ぬ寸前と言っていい状態なのです。アメリカの軍需産業の株は、今ドンドン上がっています。戦争が起これば起こるほど上が ります。しかし、それでも余るお金が日本に戻ってくることになります。日本に還ってきた資金は株価を上昇させ、円を上げることになります。これが世界中を動き回っている投機資金のメカニズムです。まさに、「資本の意志」に従って動いているのです。 こういった動きが、だいたい落ち着いて完了するのが、今年の秋です。従って、秋には円が80円くらいまで上がることになるのです。

11,今、330万人くらいの失業者がいるそうですが、これは主に製造業から出てきた失業者です。彼らを受け入れる先がどこかと言ったら、ソフト産業、情報産業しかありません。これらは、労働集約型産業です。従って、製造業の方からは今後、3万人か4万人しか首にならないのに、こちらのほうは300万人単位で人が必要になってきます。ですから、これから先、労働問題についてはなんの懸念もありません。逆だったら大変な問題ですが、いくらでも労働者を受け入れる産業がのびていくことになるのですから、心配はありません。今、ミスマッチ失業と言って、製造業から情報産業へのシフトがうまくいかないと言うことが問題になっていますが、これは一時的なことに過ぎません。 人間は機械ではありませんから、今後、製造業をリストラされた人たちの能力開発が間違 いなく進んでいくことになるでしょう。人間にはロボットと違って、勉強する力があります。考える力があります。環境に順応する本能がありますから、問題ありません。ミスマッチ失業も、ここ数年で解決することになるでしょう。特に日本人は勉強熱心ですから、よけい心配ありません。ここにも「資本の意志」が働いているのです。

12. 円高になったら日本が不景気になると言う意見がありますが、これは大間違いです。今や日本の輸出産業は、1ドル80円になっても屁でもないでしょう。この何年かで、体質が強化されたのです。この円安メリットを十二分に享受しながら、マスコミが不景気、不景  気と大騒ぎするのを神風として、リストラをやり、過剰設備も随分縮小しました。輸出産業は、1ドル79円の円高のとき、海外に低コストで高能率な生産拠点を作りました。その後、円安になりアジア経済が低迷しましたから、今海外の生産拠点は閉鎖状態です。維持管理しかしていませんが、これがとんだ財産なのです。日本国内の労働賃金の高い人は 首を切ってお辞めいただいて、非能率になった国内の生産設備は縮小した。この事実を世界中の資本が読んでいるから、今アメリカの資金が日本に戻り始めているのです。来る日も来る日も、外人買いが入って、株が上がり、円が上がるのです。今こそ日本を買わなかったら、 せっかくのチャンスを逃がしてしまう。世界の資本、利益を求め続けている世界のお金は、 こうして日本に押し寄せてくるのです。ヘッジファンドの多くが破綻したり、つぶれたりし ている分を全部日本で取り戻そうと、準備をしています。1億ドルを30億ル、100億ドルにも運用することの出来る連中が日本に入ってくることになるのです。ですから。株価も円も、上昇ではなくて暴騰するのです。円は秋にはもうかるく100を割って、80円くらいまでいくことになるのです。日本の株価は夏から秋にかけては、2万2000円はつけることになるでしょう。今年の暮れまでに、恐らく3万円つけるかつけないか迄いくかも知れません。来年は4万円があると思います。日本史上最高値です。

云々とあり、

 対談相手の「竹村健一」も増田さんの考え方は非常に面白くて、他の日本人の評論家の話を聞いてもこういう話は出てきません。増田さんのような人がテレビなどで日本の景気を論じるとき、討論に加わってくれたら、面白いことになるでしょう。増田さんの言っていることが当たる、当たらない、正しい、正しくないと言う問題よりも、日本人にこういう考え方もあるんだと言うことを出来るだけ知らせて欲しい。それで株で儲かる人も出てくるだろうし、損する人もいるだろうけれども、それは二の次です。僕は〔竹村のことです〕そう言う姿勢で、今、増田さんを受け入れています。増田さんの言っていることが当たれば余計に良いけれども、当たらなくても僕は増田さんのような意見、発想がこれからの日本人に大切だと思っています。

 また、「船井幸雄」は、自分との対話と言う本の中で、予測についてはここ2年間、景気の予測、政治の予測、その他を100%当てた人が一人だけいるのです。それは増田俊男さんという私の友人です。彼は「資本の意志が日本を復活させる」と言う本を書いた人です。

 実は去年(1998年)大変勉強させてもらった人が二人いるのです。一人が増田俊男さん、もう一人は森田健と言う人です。

 増田さんは、インターネットに「増田俊男の時事直言」と言うホーメページを開設していて、時々時事直言を見ていたら、一昨年の3月頃、「ペルーの人質事件は4月中には必ず武力突入で解決する。これはフジモリ大統領の陰謀で、一番馬鹿を見たのは日本政府と橋本総理大臣だ。理由はこうだ」と言うのが出てきたのです。えらいことを言う人がいるなあと思っていたのですが、まったくその通りに解決しました。一昨年の10月頃、「向こう一ヶ月以内に山一証券がつぶれる」とありました。11月になって富士銀行の専務が山一証券を応援すると記者会見で言ったので、増田さんもいよいよはずれるかと思っていたのです。しかし山一証券はつぶれました。去年の7月12日に参議院議員選挙があって、自民党が惨敗して総理大臣が代わることになり、3人の候補者がいたのです。7月15日に電話しました。

 増田さんは「間違いなく小渕恵三さんです。ついでに言いますが大蔵大臣は宮沢喜一さん のようです。それが資本の意志です」と言うのです。これにはびっくりしました。小渕さんが総理大臣になることはたいていの人はわかりましたが、宮沢さんが大蔵大臣になるとは誰も思っていませんでした。しかしその通りになったのです。宮沢さんが大蔵大臣にならなかったら、資本主義は1999年中につぶれる。潰してはいけないから、資本の意志は宮沢さんを大蔵大臣にしたのだというのが彼の意見なのです。それから7月の末に、10月から間違いなく円高になると彼は言いましたが、それもその通りになりました。さらに12月になって、面白いことを言い出したのです。日本時間で12月17日アメリカ時間で16日にアメリカはイラクを攻撃する。これは4日か5日くらいで終わる。これもそのとおりになりました。

 増田さんは去年の7月に10月から円高になると言ったのですが、日本中の経済評論家は馬鹿にしました。増田さんと同じ意見だったのは私の友達では渡辺昇一さんだけなので、渡辺さんと増田さんと私の3人で去年の8月に対談して、『日本はこれから良くなる』と言う本を出すことにしたのです。

 増田さんにはこれからも、予測を当て続けてもらいたいと思っています。私は増田さんの意見と、多くの点が非常によく似た意見を持っています。とあります。

 私は今まで随分予測を外してきました。今回も「金」がよいと言ってきたのが丸はずれです。まだそうなったわけではないのですが、円が高くなってきました。「金」はドルと同じように動きますから、1グラム1000円を割っていますが、まだ下がりそうです。(円が上がると言うことです。)FAXで送られてくる藤原直哉さんは、「金」を勧められていますし、他にもたくさん居られるようです。

 「金」が本当に駄目なのかどうかわかりませんが、「金」は5000年の歴史の終わりと言われてしまうと、そうかなと、たわいもなく思ってしまいます。「金」をやめて「株」を買いましょう。と2枚舌を使うことにします。

 6月にアメリカの株は1万2千ドルを付けて暴落すると増田さんの予想ですが8月26日現在新高値の1万1千3百ドルをつけたようです。アメリカの株が暴落するというのは、評論家の殆どが言っていますから間違いないでしょう。「ユダヤがわかると世界が解る」の宇野さんも、7月2日にアメリカの株が暴落すると予想してはずれています。しかし、アシケナージのユダヤ人が反乱を起こして新高値にもっていったからであると説明しています。

 評論家がこぞって、暴落を唱えると何となくそう思えるのですが、果たして世の中どのように動くのでしょうか。これからの世の中は、自己責任と言われます。巨大な銀行でもつぶれる時代です。世の中の動きをよく見て、つぶれる銀行や証券に大事なお金を預けるとこれからはとんだことになります。

 401Kと言う退職金を自分で管理して運用するアメリカの制度が取り入れられようとしています。掛け金は損金扱いになって、税金は安くなるし、これを運用して儲かったらその儲けには税金がかからないのです。アメリカ人はこのお金を株に投資しているから、株が下がらないのです。もし株が大暴落すると暴動が起こるかも知れません。それくらいアメリカ人にとって株とのつきあいは深いわけです。アメリカで起こることは、やがて日本でも起こります。日本でも株式がドンドン上がる時代が来るようです。インターネット関連でヤフーという会社があります。その株価は1株六千五百万円もしているのです。一株五万円の株ですが、千百倍の値段です。これは日本の今の出来事です。知らない間に世の中こんな事になっていたのです。そしてヤフーは店頭銘柄と言って一部上場でも、二部上場でもありません。店頭と言うのは一部にも二部にも上場できない、信用の薄い株です。アメリカではナスダックと言うのがあって、日本の店頭よりも上場基準が緩やかなのですが、格は一部や二部よりも高く、世界一金持ちと言われるビルゲイツの会社マイクロソフトや、「インテル入っている」のあのインテルもナスダックに上場されています。世界一有名なI BM もナスダックに上場したいとか、そう言うナスダックが日本に来るというのですから、東証、正式な名前は東京証券取引所が泡を食ってると言うのですから、まったく面白いものです。

 その仕掛けをしたのが、ソフトバンクと言う会社のオーナー孫 正義と言う人で、韓国系の日本人のようです。今、日本一の金持ちと言われています。日本は今まさしく激動の時代に突入しています。

 長期信用銀行とか、山一証券とか、巨大な会社がつぶれていきます。東邦生命とか、福徳銀行とか中くらいの会社もつぶれています。これからもつぶれる会社はあとを絶たないことでしょう。そして、ヤフーとか、ナスダックとか新しい会社や仕組みが、もてはやされる時代になったのです。特にインターネットと言う仕掛け、か仕組みが凄く発達して、世の中を大きく変えてしまいそうな気がします。学生も学校に行かずにインターネットで勉強するほうがノーリツ的ではるかに短期間で、学問や技術を習得出来てしまいそうですし、社会人も居ながらにして簡単に新しい知識や技術を身につけることが出来そうです。

 日常の生活も、あらゆる支払いや、商取引も居ながらにして済ませることが出来そうですし、日常生活は商店街へ行かなくとも、コンビニで済ませられるように、日常の買い物や商取引はインターネットで済ませて、服や、ハンドバッグはショッピングを愉しむために、少し着飾って出かけるようになって行くのでしょう。全然今までと違うスタイルの生活になるだけのインパクトを持っていると思います。インターネットは目を離せない出来事であることをヨーク知って欲しいのです。

 コンピュータは凄い力を持っていると、拾何年前に、初めて出会ったときから思っていました。それが、ようやくインターネットで力を発揮しそうです。本来の力をインターネットで初めて発揮できる体制が出来て来たのです。今、車の運転が出来ない人は、一人前の仕事が出来ないでしょう。それと同じ事で、インターネットがわからない人は、生活が出来なくなるでしょう。

 しかし、あわてることはありません、機械が益々発達して、ソフトも益々発達して今では、機械のボタンをポンと押せばインターネットにつながるようになってきました。つい先ほど一二ヶ月前まで、私なども、つなぐのに苦労していたものがあっと言う間にそこまで進歩しました。悩むことはありません。すぐに誰でも使えるようになります。もう少しです。

 英語はこれから必要になるでしょう、ますます国際語として英語が出来ないと車の免許と同じで、大きく格差が付くことになるでしょう、自動的に翻訳するソフトもありますが翻訳ソフトに頼るだけでは間に合わなくなるのではないでしょうか。私は、戦争中に敵性語だから英語廃止で一番喜んだ人間ですから今頃そのつけが回ってきました。This is a pen..くらいがせいぜいですから、街で英語で何かを聞かれたら、I don’t know English.で必死で逃げ出すでしょう。

情けない次第です。戦中派としてはやむを得ないところもあると、勘弁してもらうとしても、同級生に英語の先生をしていたヤツもいるのですから、戦争のせいにしてはいけません。

 インターネットなら外国とも市内電話料金でテレビ電話も出来るのですから、これを利用しない手はないと思うのです。

 今回は、「金」が駄目だ、という情報が入りましたので、そのお知らせをそして、アメリカの株価が下がりそうだと言うこと、円がドンドン上がりそうだ言うこと、株もドンドン上がりそうだというニュースをお伝えしました。結果には責任を持てませんので、個人の責任において、やって下さい。私の予報は当たらないといつも言っているのですから言い逃れは出来るようになっています。残暑厳しい折から御身大切に。

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